51515番リクエスト

「VitaminXで鳳×葛城」





葛城先生が手を怪我して職員室に戻ってきたのは放課後のことだった。




「ど、どうしたんですか!?その手ー!!?」
怪我を見るなり、真田先生が慌てて葛城先生の傍に駆け寄った。
「いや、その、まあ…事故って感じ?」
「いやいや!感じじゃなくって!血ィ流れてるじゃないですか!」
「大丈夫、大〜丈夫vノープロブレムッ☆」
「ほれ、タオル」
葛城先生より顔を真っ青にしている真田先生の隣に、いつの間にか近づいていた九影先生がいて、タオルを差し出していた。
「どーも、ありがとうございますv太郎さんvv」
「で?何でまた怪我したんだ?」
葛城先生はもらったタオルを左手に巻きながら、いつもの軽い調子で喋り出した。
「さっき、俺が階段の傍を通ったら、女子生徒が大荷物を抱えて降りてきたわけ。そこはやっぱり葛城銀児!
 男として当然手伝おうとしたら、その子猫ちゃん、足踏み外しちゃって!慌てて抱きとめたら
 荷物の中にカッターがあったらしく、それでズバッと&手首グキッと…」
「え!手首もひねったんスか!?」
「あ、しまっ…」
「おい…(汗)」

「…だそうですよ、鳳先生。大丈夫ですか?」
「…あ」
衣笠先生が隣に立ち話しかけられて、やっと自分がただ呆然と突っ立っていたことに気がついた。
「え、えぇ…まったく、鈍くさいですね」
「ふふっ、そうですねvでも、流石にあのままじゃいけませんよねぇ…」
「…」
私は無言のまま葛城先生のほうへ歩み寄っていった。

「出血のわりに傷は深くないようですね」
「でしょ〜?二階堂先生。大げさなんですよ、皆〜…?鳳サマ?」
二階堂先生と喋っていた葛城先生が私に気づいて顔を向けた。
「…ホラ、行くよ」
「へ?どこへ?」
「保健室に決まっているだろう?傷口を消毒しなくちゃいけないし、湿布も貼らなくちゃいけないだろうし…行くよ」
「う、わっ!ちょっ…!引きずらないでくださ〜い!鳳サマ〜!」
私は葛城先生の首根っこを掴んで職員室を後にした。

保健室には誰もいなかったので、葛城先生を椅子に座らせ、救急箱を取り出した。
「生徒を助けるのは良いことだけど、それで怪我をするなんて注意力散漫な証拠じゃないのかい?」
私はしょげている葛城先生の手を取り、消毒液をかけた。
「イタッ!イタイです!鳳サマ!?」
「君にはこれぐらいが丁度良いんだよ」
…そう、これぐらいイタイ思いをしないと君にはわからないだろう?
「いつもいつも注意しているが、もう少し後先のことを考えて行動しろと…」
「…鳳サマ?その、手ぇ、大丈夫っすか?」
葛城先生の言葉にふと目線を下げてみると、葛城先生の手を手当てしている私の手は…震えていた。
「!?あ、あぁ、大丈夫だよ。君があまりにも間抜けだから笑が込み上げてきてね」
「ひどっ!ひどいですよ〜…人が怪我をしているのを笑うなんて〜めそめそ」
「すまないね、ふふっ」
そう言って、葛城先生は泣く振りをし、私は笑う振りをした。



その日の夜、彼は早めに就寝した。
やはり平気そうな顔をしていても、傷が痛むんだろう。
彼の寝室に入ってみると、彼は既に夢の中だった。
ベッドに腰掛け、彼の寝顔を覗くと、規則正しい寝息とともに穏やかな顔をして寝ていた。
そんな彼の様子にやっと心が落ち着いた。
何故、こうも心が乱れるのか。ただの居候なのに…

…ただの居候?本当にそうだろうか?

…いや、思春期の少年じゃあるまいし、この気持ちがどういうものなのか知っている。

彼の顔にかかった髪を除けながら呟く。

「全く、君という人は…これだから放っておけない。
 …もう怪我なんてしないでくれないか、心臓が潰れそうだ」

この呟きは暗闇の静寂に飲み込まれていった…―


end


…はい!書きました!砂糖を吐いてもいいですか!?(えぇ!?)
なんかすごく甘いんですけど…(自分で書いておきながら…)
萌え力って凄いね!勢いあまって挿絵も描いちゃった!(笑)
つたないイラストですけどね…
鳳先生が思っていた以上に優しくなっちゃったな〜、ドSなのに(それは君らが勝手に考えただけだろう?(ニコッ)>鳳)
まあ、葛城先生が寝てるときだけだから良いか(良くないー!>葛城)
唯音ちゃんだけお持ち帰りOKですv
代リク、ありがとうございました!

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送